手のしびれの症状と原因

◇手根管症候群
手の指(小指以外)がしびれ、寝ていても目が覚めたり、朝に手のしびれを感じる事が
多いなどの症状が手根管症候群の症状。手根管症候群は40〜60才の女性または
妊娠中か出産後の女性に多く見られる。
手のしびれは夜間、または朝起きた時に症状が増強する場合が多く手を振るとしびれが治まる
こともある。
手首の掌側(手の親指側)を走る正中神経が圧迫されて症状が出現する。
手根管とは手関節の骨とその掌側で取り囲む靱帯で作られたもので、その中を手の屈筋腱と
正中神経が通っている。手根管内の圧力が上がり正中神経が圧迫され様々な
手や指先の症状が起こる。
過度の手の使用、屈筋腱腱鞘炎、糖尿病、甲状腺の病気、妊娠などの浮腫、橈骨・
手根骨の骨折後の変形などによって起こりやすくなる。

◇尺骨神経障害、ギヨン管症候群
小指と薬指半分の手のしびれや肘のしびれの症状が出現する。
小指と薬指の半分がしびれている場合、尺骨神経の障害の可能性がある。
最も障害を受けるのは、肘の部分です。肘の内側を軽く叩いて、小指と薬指に電気が
走る様なしびれ・感覚障害があれば、肘部管症候群の可能性がある。
また尺骨神経は、手首の所でも障害を受けることがある。
この場合手のひらの小指側のところが痩せていたり、力が入りにくい場合がある。

◇糖尿病(糖尿病性神経障害)
血糖の高い状態が続いていると、まず手や指先、足先の神経から障害が起こる。
症状としては、手のしびれや足のしびれと痛み、足の指先の異常な冷え、足底部が皮をかぶった感じ
がある。
ただ、まだこの段階では軽症であり、この段階で適切な治療を受けないと症状がさらに悪化して、
全身の筋肉が萎縮、顔面神経麻痺、便秘や排尿障害、立ちくらみ、インポテンツといった
症状が出現してくる。
そしてさらに症状が進行すると、症状はさらに悪化し手や足のしびれや痛みのために夜眠れない、
火傷や靴ずれに気がつかず放置していたために細菌感染をおこし、その部分の組織が
一部死んでしまう状態の壊疽(えそ)にまで発展することもありり、最悪の場合、
足を切断することにもなりえる。

◇脊髄障害(頚椎ヘルニア・頚椎性脊髄症)
頚椎性脊髄症などの場合、左右両側にしびれの症状が生じ糖尿病などのしびれと
類似している事があるが、通常は左右差があり区別できる。ただし左右対称に
症状がくる症例も報告されているようなので注意は必要。

手のしびれ-危険な症状

手のしびれの危険な症状
脳梗塞や脳出血などの脳卒中や脳腫瘍が原因のしびれは命に関わる危険なしびれである。
すぐに病院にいって医師の診察・治療を受ける事が重要である。それでは、
どの様なしびれが危険な症状なのだろうか。

◇しびれと同時に起きる危険な症状
しびれの症状の他、頭痛、めまい、吐き気・嘔吐、突発的に痺れが始まったり、
顔面を含む片側性にしびれが突発したり、しびれの数週間前に発熱があったり、
運動麻痺や排尿障害がある場合は危険な症状といえる。

主なしびれの種類
しびれの種類は大きく二つに分ける事が出来る。

◇末梢性のしびれ
足のしびれは通常片足にしびれの症状などが出現する。足のしびれでは神経障害だけでなく、
血流障害からも起こることがある。
神経障害の原因としては、腰椎症や腰椎椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄などが主なものとしてある。
血流障害としては、下肢閉塞性動脈硬化症が主な原因。
腰椎症や腰椎椎間板ヘルニアでは、神経分布に沿ったしびれや痛みを起こすため、
しびれや痛みの部位から腰椎や脊髄のどのレベルで圧迫が起こっているか診断が可能。
腰が原因で起こる足のしびれや痛みは、座骨神経痛である。
よく知られる座骨神経痛は、臀部(おしり)から太ももの後面、ふくらはぎにかけて
痛みやしびれを生じるが、原因は腰椎レベルでの神経圧迫が挙げられる。

◇中枢性のしびれ
・脳梗塞や脳出血などの脳卒中が原因のしびれ
感覚の伝導路は、脊髄を経由して視床に達するまでに左右交叉するため、通常、
視床・大脳の障害では、病変のある側と反対側の半身(顔面を含む)の感覚低下が出現する。
例えば、左大脳半球に脳梗塞があると、右半身にしびれの症状が出る。なお、脳幹に
病変がある場合には、顔面は病変と同側がしびれる場合がある。原因疾患としては、
脳血管障害(脳梗塞、脳出血など)が最も多いが、脳腫瘍、脳炎による場合もある。

・脊髄障害が原因のしびれ
脊髄神経は,合計31対で形成されており(頚髄8対、胸髄12対、腰髄5対、仙髄5対、尾髄1対)、
末梢神経の分布とはまた別に、それぞれ一定の皮膚領域と関連している。脊髄がある位置で
障害されると、その支配領域またはそれ以下の領域の感覚が障害され、ここで、
痛覚・温冷覚と触覚・深部覚は脊髄内で伝導路が異なるため、脊髄のどこが侵されたか
によって感覚障害の内容が異なる。脊髄障害の原因としては。脊椎の変形(頚椎症、腰椎症)、
椎間板ヘルニア、脊髄炎、脱髄疾患(多発性硬化症ほか)、血管障害、腫瘍、外傷がある。

しびれの治療
一般に末梢性のしびれの場合、神経線維の栄養補給・再生促進のためにビタミン剤(B1,B12など)や、
神経栄養血管の循環改善を目的とした血管拡張剤を用いる。症状が強いときや疼痛を伴うときは、
鎮痛剤、抗痙攣剤、抗うつ剤などが有効なことがあり、また、リハビリや神経ブロックも行われる。
外傷・圧迫性によるしびれでは、手術治療を行うこともあり、糖尿病など全身性の疾患に合併する
ものや脳疾患が原因によるしびれでは、その原因疾患の治療が重要。

手のしびれの症状・原因の中には、診断・治療に緊急を要することもあり、
門医がいる病院への受診が必要である。

しびれとは

しびれとは
外から皮膚に刺激を与えることでわかる感覚の障害。しびれに関連する
感覚には、触覚・痛覚・温冷覚などの表在覚、関節位置覚・振動覚などの
深部覚が含まれる。皮膚・筋・関節などの感覚受容器からのこれらの情報は、
末梢神経→神経根→脊髄→脳幹→視床といった神経系を経由して大脳(頭頂葉)の
感覚中枢に伝えられるので,これらのどこかで障害があれば感覚の障害(しびれ)が
出現する可能性がある。


・知覚鈍麻(低下)、知覚脱出
体の表面にある触覚、温・冷覚、痛覚といった感覚がわかりずらくなったり、
 わからなくなった状態。

・知覚過敏、錯知覚
外部からの刺激を過剰に強く感じたり、軽度の接触でも痛いと感じたりする不快な感覚。
 正座の後に足がしびれた経験と同じ様な感覚。

・異常知覚
外部からの刺激がないのにしびれを自覚する状態。かゆい、ムズムズ、
 ビリビリ、ヒリヒリ、ジンジンなどと表現されることが多い症状。
これら重複して感じられる場合が多く、動かない(麻痺)や、痛みや冷感などのしびれ以外の
 症状を伴うことが多い。